なぜ基礎はコンクリートと鉄筋を組み合わせるのか?
地震のときには 地震の力は基礎に対して引っ張るような力(引っ張り力)や
押しつぶすような力(圧縮力)がかかりますが、
コンクリート自体は引っ張られると、もろく崩れてしまうのはご存知でしたか?
鉄筋コンクリートは絶妙なバランスで成り立っています。
コンクリートは圧縮に強く 引っ張りに弱い材料ですが、
鉄筋は圧縮に弱く 引っ張りに強いという性質を持っています。
しかし、鉄筋コンクリートとなると この両方の長所を発揮させ、短所を補うことができるのです。
ですから基礎を無筋のコンクリートにすると、耐えられる以上の力がかかったときに
すぐ破壊されてしまうので危険なのです。
■コンクリートは鉄筋のガードマン
鉄筋コンクリートのもうひとつの「絶妙なバランス」が
酸性・アルカリ性 です。
もしコンクリートが酸性なら鉄筋はすぐ酸化して錆びてしまいます。
幸い、コンクリートはアルカリ性が強く、鉄筋を包んで錆から守ります。
しかし、コンクリートは空気中の二酸化炭素によって表面から次第に
中性化して、鉄筋に対する保護能力が低下してきます。
ですから表面から中性化しても鉄筋に達しないように
鉄筋を包むコンクリートの厚さ(かぶり厚さ)を十分にとる必要があります。
かぶり厚さは地上で30ミリ以上、地中で60ミリ以上とされます。
そうすると、基礎のコンクリートの厚さはどのくらい必要でしょうか?
横の主筋が直径13ミリ、縦の補助筋が直径10ミリ、その両脇に60ミリのかぶり厚さ
→ 最低でも143ミリは必要になります。
120ミリや135ミリという厚みの基礎を見かけますが、
これでは鉄筋を十分に守ることはできませんね。